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2023/09/14 16:40





男性不妊と運動不足


昔と比べてあまり運動しなくなった。体を動かすことが億劫になった。そう感じている成人男性は多いのではないでしょうか。
大人になると運動する機会はぐっと少なくなります。加えて、仕事などで忙しく運動する時間がなかったり、休日ぐらいはのんびり過ごしたいという思いもあったりして、意識して運動しようとしない限りなかなか相応の運動量を確保できないものです。

多くの方がご存知のように、運動不足は食習慣や生活習慣の問題と相まって様々な病気や不調の原因になることがあります。さらに、近年では男性の妊娠力低下、男性不妊にも関与していると言われています。子どもを希望している男性は妊活の一つとして「運動不足の解消」を実践してみましょう。



運動不足が男性ホルモン量の低下を招く


男性ホルモンのテストステロンは男らしい体つきを作ると同時に、男性の造精機能や精力とも深い関わりを持つ重要なホルモンです。そのためテストステロンの分泌が減少すると、造精機能が低下したり、精力が減退したり、ED(勃起不全)を招いたりすることがあります。
テストステロンには前述の通り男らしい体つきを作る働きがあり、その一つとして「筋肉を増やす」という効果が挙げられます。運動して体を動かすと、筋肉をつけようとして体内でテストステロンが分泌されるのです。これを反対に考えると「慢性的な運動不足によりテストステロンの分泌量が減少してしまう」ということ。
子どもを希望する男性にとって運動不足はただ健康上の問題だけでなく、自身の妊娠能力を低下させる一因にもなりかねないのです。



運動不足による血行不良が生殖機能を弱める


運動すると体が内側からポカポカ温まってきます。これは筋肉が熱を生み出すことに加えて、筋肉を動かすことにより血の流れが良くなって体の隅々まで血液が巡るようになるからです。筋肉は血液の流れを促すポンプのような役割も果たしています。
ですから運動量が少なく筋肉があまり動いていない状態では血行不良が起こりやすくなります。すると、生殖器を始めとする各臓器にも十分な血液が行き渡らずに活動力が低下してしまうのです。



下半身の血行不良がEDにつながる


ED(勃起障害)には様々な原因がありますが、中でも血行不良は大きな要因と考えられています。というのも、そもそも勃起は陰茎の海綿体に血液が流れ込むという現象によって生じているからです。特に下半身の血行不良によって海綿体に十分な血液が行き届かないことが勃起状態にも支障をきたしているのではないかといわれています。
運動不足による血行不良は生殖機能の低下とEDという二重のリスクが指摘されているのです。



運動不足は肥満の一因!肥満で精子に影響も


運動不足は食習慣の問題と相まって肥満を招くことも少なくありません。
肥満は男性不妊の一因です。多くの医師・専門家により、ホルモンバランスの乱れや奇形精子の増加、精子数の減少を招く恐れがあることを指摘されています。また肥満はED(勃起不全)や性欲低下に結びつきやすいことでも知られています。
運動不足=肥満ではありませんが、運動不足を解消することは肥満を予防し、妊娠力低下を防ぐことにつながります。妊活中は良いコンディションをキープするという意味でも運動不足解消に努めましょう。



運動不足解消により得られる妊活効果


運動不足の解消は健康に良いことはもちろん、男性不妊克服、妊娠力向上にもプラスに働きます。
一つは血行の促進です。血行を促すことは生殖機能の働きを高めて元気な精子を増やすことにつながります。また、肩こり・便秘などの小さな不調を解消し、健康的な体、すなわち本来の生殖能力が十分に発揮される元気な体を作ることにもつながります。
さらに適度に運動をおこなうことはストレスの解消にも役立ちます。運動した後、何となく体がスッキリしているという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。これはただ外の空気に存分に触れたからとか、手足を思い切り伸ばしたからというような感覚的なものだけでなく、体内のストレスホルモンが減少する、脳内の快楽物質が分泌される、終わった後に副交感神経が活発になるなど科学的な効果も解明されています。



男性不妊対策としてオススメの運動は?


男性不妊克服のため、妊娠力向上のため運動を始めようとお考えなら「ウォーキング」がオススメです。
ウォーキングは体への負担が少なく、お金をかけずに誰でも簡単に始めることができます。
配慮したい点は歩き方と心構えです。
歩幅は大きめに普段より少し早いぐらいのペースで、毎日実施しようと意気込まずに週2、3日からはじめ、自分のペースで長続きさせましょう。
ウォーキングの時間は慣れてきたら20分以上を目安に。20分以上続けて歩くことにより脂肪が燃焼されてカロリー消費にもつながります。

ウォーキングの時間を作ることが難しい、わざわざおこなうのが億劫という方は、毎日の通勤や買い物など生活行動の中にウォーキングを組み入れると良いでしょう。