2023/09/20 17:31
男性不妊の改善にむけて見直したい生活習慣
男性の精子はとてもデリケートな生き物です。
寝不足気味である、心が疲れている…、そんな些細な不調によっても数が少なくなったり、運動率が低くなったりします。ということは反対にいえば、健康的な生活を心掛けることによって、元気な精子が増える可能性が大いにあるということです。
男性不妊でお悩みの方は不妊治療に加えてぜひ、生活習慣の改善にも取り組んでみてください。
少しでも精子の状態が良くなれば、不妊治療も成功しやすくなります。
まずは生活習慣を振り返ってみましょう。
次の7つの生活習慣は精子の数や運動率を低下させる恐れがあるといわれているものです。
「喫煙」は精子細胞にダメージを与える
タバコが健康に良くないことは周知の事実ですが、もちろん精子のためにも良くありません。タバコに含まれる様々な有害物質は精子細胞に大きなダメージを与え、数や運動率を低下させたり、奇形率を高めたりすることが分かっています。また最近では、父親の喫煙が生まれてくる赤ちゃんのDNAにまで悪影響を与えてしまうという説もあります。
精子とタバコの因果関係については世界各国で研究調査されていますが、「大きなリスクがある」とするものばかりで禁煙すべきであることは明らかです。男性不妊の方だけでなく、子どもを希望している方は皆さん、禁煙を心掛けましょう。
「ストレス」は男性ホルモンの分泌を減らす
ストレスは不妊を招く大きな原因のひとつと考えられており、男性の場合は男性ホルモンの分泌を減少させて、精子の数や運動率、性欲を低下させてしまうといわれています。
とはいっても多少のストレスは誰にでも存在するものであり、また体に処理機能のようなものもあってうまく消化されています。問題なのは、体の処理機能が追いつかないほどストレスが溜まり過ぎている場合です。男性ホルモンの分泌低下を始め、倦怠感、頭痛、しびれ、肩こり、免疫力低下など様々な体のトラブルをもたらすようになります。
しかし、ストレスの量は測ることができず、溜まっていることもなかなか容易には自覚できません。ですから、こまめにストレスを発散する習慣をつけるようにしましょう。
「偏食」は精巣の働きを妨げる!肥満にも注意
体の各臓器は食事により摂取した栄養を原動力として働いています。ですから精巣器官をしっかり働かせるためにも、健康的な食事によって様々な栄養素をバランスよく摂り入れなければなりません。
特に「亜鉛」は受精能力のある元気な精子を作る上で非常に重要な役割を持った栄養素だといわれています。しかし体内消費や他の食品による吸収阻害によって十分な量を摂りにくい栄養素ですので、サプリメントなどを利用するのもよいでしょう。
なお、食習慣では「食べ過ぎ」にも気をつけたいものです。食べ過ぎがもたらす肥満は造精機能にも悪影響を与え、精子の数や運動率の低下につながってしまうことがあります。
最近の研究では、BMIが高い男性ほど正常な精子が少なかったというデータも上がっているそうです。
毎日の食事は「栄養バランス」と「適度な量」を意識するようにしましょう。
「アルコールの摂り過ぎ」は造精機能にトラブルを招く
適度な飲酒はストレス解消や睡眠誘因、緊張感の緩和に良いものですが、度を超えた飲酒を続けていると造精機能に悪影響を及ぼす恐れがあると言われています。例えば精子が作られにくくなったり、男性ホルモンの分泌トラブルを招いたり、EDを誘発してしまうこともあるそうです。ついつい深酒してしまうという方は少し量を控えるように、また日頃しょっちゅうお酒を飲んでいるという方は休肝日をつくるようにしましょう。
「疲労過多・睡眠不足」は精子の質を下げる
疲労や睡眠不足は精子の質を低下させる要因として知られています。
基本的に「健康に良いこと=精子に良いこと」「健康に良くないこと=精子にも悪影響を及ぼす恐れがあること」です。
妊娠が成立するためには卵子の元まで辿り着き、受精卵から赤ちゃんへと生育を遂げられるほどの、力強く質の高い精子が必要です。
お仕事で忙しい方も多いと思いますが、休める時はしっかり休んで疲労や睡眠不足を解消しましょう。
精子と精巣は熱に弱い!「温め過ぎ」は厳禁
精子や精巣は「熱に非常に弱い」という性質を持っています。そのため、体の温め過ぎ(特に下半身)はあまり好ましくありません。
例えば、サウナ、電気毛布などをよく利用するという方は極力控えめに。
入浴においてもあまりに熱いお湯に長時間浸かるのは避けましょう。
また、下着は熱がこもりやすいブリーフタイプより、通気性がよいトランクスタイプが良いともいわれています。
もちろん多少温めたからといってすぐに精子の数や運動性に影響するわけではなく、必要以上にナーバスになることはありません。ただ、継続的な温め習慣が造精機能を損ねてしまいかねないという説があることをふまえ、温め過ぎないよう心掛けることが大切です。
「膝上でのパソコン使用」は精子に2つの悪影響が
膝上でのノートパソコンが精子に悪影響を及ぼすということは、比較的よく知られている説だと思います。
その理由は2つ。
1つは電磁波による影響です。椅子に座り膝上でノートパソコンを使うことにより、すぐそばにある精巣は多大な電磁波を浴びて、機能トラブルを招くと考えられています。この考え方を元にすると、ズボンのポケットの中の携帯電話も同様のリスクがあると考えられます。
そして膝上でのノートパソコンを良くないとするもう一つの理由は、パソコンから発せられる熱です。膝上でパソコンを使うことにより、パソコンから発せられる熱が下半身に伝わってしまいます。これは熱に弱い精巣や精子によって堪え難い環境です。
よく膝上でノートパソコンを使っているという方は極力避けるか、下半身に熱が伝わらない工夫を施すようにしましょう。