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2023/09/26 18:08



ホルモン分泌の異常による男性不妊


男性も女性と同様に、ホルモンの分泌異常によって不妊が引き起こされてしまうことがあります。
精子数の減少や精子運動率の低下には、男性ホルモンを始めとするホルモンの分泌異常が関係しているケースも多々あるのです。
このページでは男性のホルモン分泌に関する基礎知識と、ホルモンの分泌異常が招く男性不妊について解説します。



ホルモン検査は男性不妊の基本検査のひとつ


男性不妊の基本検査の中には「ホルモン検査」という項目が含まれています。
これは男性ホルモンのテストステロンを始め、FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)、PRL(プロラクチン)などのホルモン値から精巣機能の状態を知るためのもので、採血により調べられます。

テストステロンというと男性のホルモンのイメージが、FSH、LHというと女性のホルモンのイメージがありますが、いずれのホルモンも男女ともに分泌されており、それぞれの大切な生殖機能をコントロールする働きを担っています。
男性不妊が疑われる場合、まず、これらのホルモンが正常に分泌されているかどうか調べることが大切です。


FSHやLHが低い場合はホルモン分泌に問題あり


FSH・LHは性腺刺激ホルモンと呼ばれるホルモンで、FSHが精巣を刺激して精子の産生に働く、LHがテストステロンの産生・分泌を促すというように、生殖機能における非常に重要な役割を担っています。
このFSH・LHは頭の中にある下垂体という器官から分泌されており、分泌にあたっては、さらに同じく頭の中にある視床下部という器官からのホルモン分泌を受けています。つまり、「視床下部から放出ホルモンが分泌される」→「下垂体からFSH・LHが分泌される」→「精巣での精子産生・テストステロンの産生が促される」という一連の流れによって、男性の生殖機能は正常に働いているのです。

ホルモン検査の結果、性腺刺激ホルモンであるFSH・LHやテストステロンの値が低い場合は、中枢側のホルモン分泌に問題があるため造精機能が低下していると考えられます。症状としては「低ゴナドトロピン性性腺機能低下症」と呼ばれ、投薬治療の効果が薄いと言われる男性不妊の中でも、比較的、治療効果が現れやすい症状として知られています。



FSHやLHが高い場合は精巣機能に問題あり


精巣を形成している細胞の状態が悪い場合、テストステロンがうまく分泌されず低値を示します。さらに、テストステロンの低下を補おうとして、性腺刺激ホルモンのFSHとLHが高くなってしまいます。ホルモン検査からこれらの分泌異常が認められた場合は「高ゴナドトロピン性性腺機能低下症」と診断され、基本的には精液検査の結果に応じて体外受精や顕微授精、TESE(精巣内精子回収術)へと進みます。
高ゴナドトロピン性性腺機能低下症には様々な原因があるものの、最も多い原因は「クラインフェルター症候群」です。クラインフェルター症候群は染色体異常で、多くの場合で精巣が発達しないために無精子症となります。染色体異常と聞くと非常に稀な症状のように感じられますが、クラインフェルター症候群の出生頻度は男児の1000人に1人の割合と言われており、決して特別珍しいものでもありません。



FSHだけが高い場合はセルトリ細胞単独症の疑いが


ホルモン検査でLHやテストステロンはほぼ正常値であるのに、FSHだけが高い場合は「セルトリ細胞単独症」の疑いがあります。
セルトリ細胞単独症とは非閉塞性無精子症の一つで、非閉塞性無精子症の中でも精巣内でわずかに精子が作られているものの途中で形成が止まってしまう状態を「精子成熟停止」、一方、精巣内で全く精子が作られていない状態を「セルトリ細胞単独症」と呼んでいます。セルトリ細胞単独症では残念ながらTESE(精巣内精子回収術)をおこなっても精子の回収が望めません。
もし子供を希望するのであれば、AID(非配偶者間人工授精)を視野に入れる必要があるでしょう。



全て正常値の場合は精巣内で精子が作られている可能性が


精液中に精子が少ない、あるいは精子が認められないものの、ホルモン検査の結果、FSHやLH、テストステロンなどが全て正常値だった場合は、精子が射出されていないだけで精巣内では正常に産生されている可能性が考えられます。ただし、中には精子の形成が途中段階でストップしているケースもあるでしょう。いずれにせよほとんどは、MD-TESE(顕微鏡下精巣内精子回収術)の適応となります。



プロラクチンが高値の場合は下垂体腫瘍のケースも


女性に比べると非常に少ないながら、男性にも高プロラクチン血症は存在します。主な症状は性欲低下、勃起障害、乳汁漏出などです。高プロラクチン血症でもプロラクチン値が特に高い値を示す場合は、脳下垂体に腫瘍(プロラクチノーマ)ができている疑いがあり、MRI検査により腫瘍の有無を調べる必要があります。
プロラクチノーマがある場合は症状として無精子症が現れることがあります。