2023/10/03 16:15
体の働きを混乱させる「環境ホルモン」
人間の体内にある内分泌腺で生成され、体中の各器官を円滑に機能させる生理活性物質「ホルモン」。
その数はおよそ70種類以上あると言われています。
1998年に当時の環境庁の発表により一躍注目を浴びることとなった「内分泌撹乱化学物質」、通称=環境ホルモンと呼ばれる物質は、自然界にも存在する以上に、より多くが人工的に生成された化学物質の中に含まれます。
環境ホルモンの特徴は、人間の体内にあるホルモンに非常に似た作用を持ち、体内に入り込むと本当のホルモンの働きを阻害し、邪魔をするため、正常な体の成長・生殖・行動が撹乱してしまいます。
その結果、知能低下や注意力の欠如、鬱やストレスの過剰反応、不安症やアレルギーと体にあらゆる症状が現れます。そして、ここで重要となるのが、そんな外部の類似ホルモンによって影響を受けた性ホルモンから伴う、精子への影響です。
環境ホルモンが及ぼす精子への影響
ここ50年の間で、世界的に男性の精子が1mlあたり1億個から4〜5千万個にまで大幅に減少したと報告されています。
そしてこの精子の減少に大きく関係していると言われているのが「環境ホルモン」です。環境ホルモンが取り込まれると、体内では男性ホルモンであるテストステロンの分泌が大幅に抑えられる作用が起こり、その影響から精力や生殖機能が衰え、EDや造精機能障害を引き起こします。それと同時に、体内では活性酸素が増え精子の主成分「たんぱく質」や、卵子との結合に必要な酵素に大きなダメージを与えるため精子の質が低下してしまいます。そして多くの環境ホルモンには発がん性物質が含まれています。
このように、体にあらゆる悪影響を及ぼす環境ホルモンですが、身の周りでは一体どんなものに含まれているでしょうか。
身の回りの環境ホルモン
達の生活の周りにはあらゆる製品が溢れています。
それらのほとんどには化学物質が使われ、塗料や殺虫剤、毎日食べる食料品にも野菜の農薬、加工される際に使われる保存料や添加物として含まれています。食べ物を温める時に使われる塩ビ系のラップ製品には加熱時に非常に毒素の強いダイオキシンを発生する物も含まれています。それを私達は知らずのうちに摂取して影響を被っている場合が非常に多いのです。
多忙な生活や食に対する無関心からジャンクフードやインスタントフードばかりを摂っていると添加物や環境ホルモンがどんどん体内に蓄積し、精子の悪化を招き不妊へ繋がる、こんな悪循環を招きます。そのためにも、環境ホルモンを取入れないことが重要になりますが、おおよそ1500種類とも言われる環境ホルモンを完全に避けて生活するのは非常に困難なことです。意識して摂取しないのと同時に、取り入れた環境ホルモンを積極的に排出することも重要になります。