2023/10/03 16:51
男性が取り組むべき10の妊活
特に不妊の原因がないカップルが性交渉によって自然妊娠する確率は約20%程度。
この確率を高いと見るか低いと見るかは人それぞれ異なりますが、生物学的にみて私たちヒトは決して妊娠しやすい動物ではありません。
女性の妊娠チャンス(排卵)が月に一度しかないということはもちろん、女性の体内に侵入した精子が卵子と出会うまでの長く険しい道のりも、その要因のひとつとして挙げられるでしょう。
幾多もの試練を乗り越え、たった1匹の精子が卵子の中に入り込む、まさに奇跡のようなプロセスによって妊娠は成立しているのです。
ご夫婦が2人の赤ちゃんを…と考え始めた時、男性が取り組みたいのはまず「卵子の元へ辿り着ける、元気な精子を1匹でも増やすこと」です。そのために普段からできることはたくさんあります。ぜひ実践してみてください。
男性の妊活1
ストレスを減らす
近年、不妊の大きな原因と考えられているのが「ストレス」です。
特に男性においてはストレスにより、精子の数や運動性が著しく低下してしまうことが指摘されています。
ストレスは目には見えず、多い少ないといった分量を測ることもできないものですが、ストレスが全くないという人などこの世には存在しません。気づいていないだけで、誰しも知らず知らずのうちに蓄積させてしまっています。ストレスと上手に付き合っていくためにも、ストレスを解消する手段を身につけ、こまめに発散させるように心掛けましょう。
男性の妊活2
栄養バランスを整える
妊活の基本はやはり食生活です。食べたものが体を作り、生殖機能を動かす原動力になります。
精子の質にも大いに関係してきます。元気な精子がたくさんつくられる、そんな体を目指すなら、まずは栄養バランスのとれた健康的な食事を摂るようにしましょう。 栄養バランスと聞くと専門的で少し難しいイメージがありますが、これは食べ物のバランスと置き換えて考えれば実践しやすくなるかもしれません。栄養バランスを整えたければ、食べ物のバランスを整える、すなわち、肉、魚、野菜、炭水化物など様々な種類の食べ物を食べるようにすれば良いのです。
とはいえ、毎食様々な食べ物をバランスよく摂ることもなかなか難しいもの…。
1日全体における食事のバランスで考えるようにすると実践しやすく、長続きもします。
男性の妊活3
亜鉛をしっかり摂る
妊活中に摂りたい栄養素として、女性では葉酸が有名ですが、男性では亜鉛が推奨されています。
亜鉛は精子が生成される過程に関わっている重要な栄養素で、不足すると精子の数が減ったり、運動性が低下したりすることがわかっています。ぜひ日々の食事の中で亜鉛をしっかり取るようにしましょう。食品の中では牡蠣に最も多く含まれています。摂りにくい栄養素ですので、サプリを利用して補うのも効率的でしょう。
男性の妊活4
生活リズムを整える
乱れた生活リズムやそれに伴う睡眠不足は、男性ホルモンの分泌に弊害を招き、精子を作る働きを弱める他、精力低下を招いたり、ED(勃起障害)を引き起こしたりする大きな原因になります。
男性の場合、お仕事の関係でどうしても生活リズムが不規則になってしまうという方もいらっしゃるとは思いますが、可能な範囲で改善するようにしてみましょう。
男性の妊活5
禁煙を心掛ける
妊活中の男性が不妊クリニックを受診した際に、まず最初に言われるアドバイスが「禁煙」です。
タバコは男性の造精機能や精子の質にも大きなダメージをもたらします。
残念ながらプラスになる点は1つもないので、喫煙している方はこの機に頑張って禁煙に取り組みましょう。
男性の妊活6
適度に体を動かす
元気な精子がつくられる健康な体を目指すには、適度に体を動かすことも大切です。
運動によって得られる恩恵は、血行促進、代謝促進、肥満解消と様々あり、すべて造精機能のプラスにつながります。ストレス対策にもうってつけです。
ただし息がきれるような激しい運動はお勧めできません。体に多大な負担を与え、結果、体内のストレス量を増やしてしまうことにつながってしまいます。ウオーキングのような有酸素運動を選ぶようにしましょう。
男性の妊活7
無理に禁欲しない
精子を射出し過ぎると濃度が低くなってしまう。排卵日に備えて出来るだけ禁欲した方が良いといった説があるようですが、これは大きな間違いです。
精子は女性の卵子と違って、毎日産生されています。必要以上に射出を控えると古くなって逆に質が低下してしまうと言われていますので、過度の禁欲には注意しましょう。一般的に3日から5日程度の禁欲が望ましいと考えられています。
男性の妊活8
良好な精巣環境を保つ
元気な精子を準備するには、精巣環境にプラスになることを心掛けるだけでなく、いかに良好な精巣環境をキープできるかに気を配ることも大切です。
精巣や精子には熱に弱いという性質があります。高温サウナや電気毛布などによる温め過ぎには注意しましょう。なお、膝上のノートパソコンも熱が伝わりやすいため、あまり好ましくありません。毎日履く下着も熱がこもりにくい通気性の良いものをセレクトするとよいでしょう。
男性の妊活9
不妊の検査を受ける
元気な精子を作る取り組みには当てはまりませんが、男性ができる重要な妊活のひとつとして「不妊の検査を受けること」が挙げられます。不妊の原因は男女半々であり、ご夫婦揃って検査をうけることで、不妊の原因をいち早く見つけることができ、不妊を早期に解消することにもつながります。
不妊の検査を受けることは決して特別なことではありません。積極的に受診するようにしましょう。
男性の妊活10
風疹の予防接種を受ける
最後にもう1つ、ご夫婦が2人の赤ちゃんについて考え始めた時にぜひとも実践したい妊活があります。
それは風疹の予防接種です。
妊娠中の女性が風疹に罹患すると、生まれてくる赤ちゃんに先天性心疾患や視覚障害、発達トラブルなどの障害がでる恐れがあります。
風疹の予防接種なら子供の頃に受けたという方も多いと思いますが、過去に受けていても年月の経過により抗体が下がってしまっているケースは少なくありません。また、ある一定時期の世代は、学校での集団接種ではなく、医療機関を受診しての個人接種だったため、接種していないという人も多く見受けられます。