2023/10/03 17:34
妊活男性の栄養バランスチェック
栄養バランスの乱れた食事が男性の造精機能に悪い影響を及ぼすことは、数多くの研究で発表されています。
また食べ物に含まれる様々な栄養素には、男性の妊娠力を高めたり男性不妊の解消を手助けしたりするパワーがあることもたくさん報告されています。
妊活中の男性にとって食生活の見直し・改善はとても大切な課題です。
今一度、毎日の食事や栄養バランスをチェックしてみましょう。
毎食「主食・主菜・副菜」を揃えているか?
栄養バランスがとれた食事をとろうと思うならまずは米・パン・麺類などの「主食」、魚・肉・大豆製品・卵などの「主菜」、野菜を中心とした「副菜」の3つを揃えることです。
毎食この3つを揃えるように意識するだけで、栄養バランスはグンと良くなります。
働く男性の場合、どうしても外食が多くなりがちですが、外食メニューは「主食+主菜」のみの組み合わせが多く、栄養が偏りがちです。ぜひ「副菜」をあと一品加えて、「主食+主菜+副菜」の3点セットに変えていただくようにしましょう。
色々な食材を食べられているか?
栄養バランスを良くするためには色々な食材を食べることも大切です。
せっかく「主食・主菜・副菜」を揃えていても、いつも同じ食材を選んでいてはやはり栄養が偏ってしまいます。
例えば主菜なら、お肉ばかりではなく魚や卵料理も選ぶようにするとよいでしょう。
さらに本格的に栄養バランスのとれた食事を実践したいという方は「まごわやさしい」というキーワードに基づいて食材やメニューを選んでみてください。まごわやさしいは、昔からある栄養バランスを整える合言葉。「ま」め類、「ご」ま、「わ」かめなどの海藻類、「や」さい、「さ」かな、「し」いたけなどのきのこ類、「い」も類をさしています。
1日3食きちんと食べているか?
忙しいとついつい朝ごはんを抜いてしまいがちですが、朝の7時から9時の間は最も食物の消化が活発な時間帯と言われており、この時間帯に食べ物を摂取することによって、体に必要な栄養分をしっかり摂り入れることができると言われています。
食べ物のパワーで妊娠力を高めたいという男性は、ぜひ朝ごはんをしっかり食べるようにしましょう。
もちろん、朝食だけでなく昼食・夕食もきちんと摂って、規則正しい食生活を送ることは妊活、および健康づくりの基本です。食事を抜くと次の食事の際に体がより多くのエネルギーを溜め込もうとして、脂肪貯蓄型の太りやすい体になってしまいます。肥満は男性不妊を招く大きな原因です。
リスクを減らすためにも1日3食きちんと食事を摂るようにしましょう。
旬の食材もしっかり摂取できているか?
旬を迎えた食材は旬ではない時に比べて栄養価が高いことで知られます。
また、旬の食材を日々の食事に取り入れることは様々な食材をバランス良く食べることにもつながり、栄養の偏りを防いでくれます。ぜひ旬の美味しい食材も積極的に摂取しましょう。
加工食品・インスタント食品を食べ過ぎていないか?
まだ医学的に明確にはなっていないものの、不妊の一因として保存料や着色料といった食品添加物の影響が挙げられています。
食品添加物が使われている食材を挙げるとキリがない上、影響について不確かな部分や手軽で便利な部分もあるのでナーバスになる必要はありませんが、過剰に摂取しないよう注意しましょう。
亜鉛などの子宝栄養素を摂取できているか?
亜鉛やセレンは精子の産生を助ける働きがあり、妊活中の男性に必要な栄養素です。意識して摂取するようにしましょう。
ただし、いくら必要な栄養素であってもそればかりを摂っていては栄養バランスが偏ってしまい、妊娠に適した体は作られません。毎日の食事に上手に組み入れられるよう工夫してみしましょう。
適切なカロリー摂取ができているか?
健康的な食生活によって授かりやすい体を目指すなら、食事内容だけでなく1日の摂取カロリーにも気を配りたいところです。
カロリー不足もカロリー過多も男性不妊の要因となります。
以下に成人男性に必要な摂取カロリーを、年齢別、労働別にご紹介します。
ぜひ毎日の食事量を見直してみましょう。
もちろんカロリーさえ適正であれば良いというわけではありません。色々な食材をバランス良く摂りながら、ちょうど良いカロリーを目指しましょう。
運動量が軽い男性の場合
※デスクワークなど
20代男性:2250kcal 30代男性:2200kcal 40代男性:2150kcal
運動量が中程度の男性の場合
※立ち仕事や営業職など
20代男性:2550kcal 30代男性:2500kcal 40代男性:2400kcal
運動量がやや重い男性の場合
※農業や漁業など
20代男性:3050kcal 30代男性:3000kcal 40代男性:2900kcal
運動量が重い男性の場合
※建設業や宅配業など
20代男性:3550kcal 30代男性:3500kcal 40代男性:3400kcal
健康なダイエットができているか?
妊活の一環としてダイエットをしている男性も多いことと思います。
しかし結果を急ぐあまり極端に食事量を減らすようなダイエットでは体に負担をかけて、かえって妊娠力を低下させてしまうことも…。
バランス良く食べながら少しずつ適正体重に近づけていく無理のないダイエットを実践しましょう。
まず見直したいのは炭水化物の量です。
肥満の方は炭水化物を多く摂っている傾向にあります。
量を少し減らして代わりに野菜類を多く食べるようにしてみましょう。
また、食べる順番は野菜からスタートして、炭水化物は一番最後に。そうすることで自然と炭水化物の量を減らすことが可能です。
さらに、食事量は朝と昼を多めに摂って、夜は控えめに。
カロリー消費が少なくなる夜の食事量を少し抑えるだけでも十分にダイエット効果が期待できます。
なお、なかなか食欲を抑えられないという方には野菜たっぷりの具沢山スープがお勧めです。満腹感を得やすい上に、様々な栄養を手軽に摂ることもできます。
ストレスなく食事できているか?
食生活の改善から妊娠を目指している方の多くは、毎食栄養バランスを気にしたり、間食を無くしたり、カロリー制限したり…など様々な食事ルールを設けて頑張っておられることと思います。しかし、毎日“健康的な食生活”を送ることはそう簡単ではありません。たまには栄養バランスにとらわれず好きな物を食べたい、何にも考えず簡単な食事で済ませたいといったこともあるでしょう。
食事は栄養バランスも大切ですが、楽しんで食べることも大切です。そもそも、せっかくの栄養バランス改善もストレスだらけでは体にとって決して良い結果にはつながりません。「栄養バランス改善に取り組んでいるけれど、ちょっとストレスを感じている…」という男性は以下の2つのルールを取り入れてみましょう。
1. 栄養バランスは1日トータルで考える
1食ぐらい栄養バランスが乱れたからといってすぐさま体に影響するわけではありません。
栄養バランスは毎回の食事の積み重ねです。
例えば昼食時に野菜が摂れなかったなら夕食時に多めに食べるようにするなど、1日トータルで栄養バランスを考えるようにするとよいでしょう。
2. 栄養バランスを考えない日を作る
たまには、栄養バランスを考えずに好きなものを食べるようにしましょう。
その時は栄養バランスが偏ったり、摂取するカロリーがオーバーしたりしても、翌日からまた頑張れば良いのです。